「企業文化」と「組織風土」の違い – なぜ風土だけに焦点を当てると問題が起こるのか?

From:ティム・カプラー

企業文化が熱い話題になっている。企業のリーダーや専門家たちが、いかにして”アジャイル”な文化を創るか、”リーン”な文化を創るか、企業買収による文化の崩壊をいかにして克服するかなど、企業文化を変革するための議論をしている。

しかし、不幸なことに、そうした試みの大半は、企業文化ではなく、”風土”に焦点を当てているに過ぎない。もっとも私自身、数年前までそのことを理解していなかったのだが。

 

風土とは何か?

組織風土とは、組織内で共有されている認識や態度のことだ。一般的に、企業文化(実際には風土なのだが)の有効性を図るために焦点が当てられているのが、社員エンゲージメント指数である。しかし、ギャラップ社(米国の調査会社)の調査によると、過去15年において、社員エンゲージメント指数は、ほとんど変化していない。

社員エンゲージメント指数は、社員に対して、”何が期待されているか理解していますか?”、”自分の意見が重要視されていると思いますか?”、”上司は自分を気にかけてくれていると思いますか?”などの質問を行うことで導き出される。これらのアンケート結果を集計し、会社は、”行動計画”を立案する。

大半の”いわゆる、企業文化診断や”働き甲斐のある会社”調査は、主に組織風土に焦点を当てているものだ。

ミッションが明確か?
福利厚生は充実しているか?
経営陣は社員に感謝をしているか?
チームワークが奨励されているか?
変化に対応できているか?

これらは”組織風土”の話である。

 
企業文化の深い話

企業文化とは、共有されている信念や前提条件のことである。これらの”明文化されていない”ルールや認識が、組織内での行動を形作る。

問題やチャレンジに突き当たったとき、それら文化の一端が垣間見れる。

たとえば、

・意思決定の際に上司に判断を仰ぐのかどうか、
・挑戦しがいのある選択肢を選ぶのかどうか
・ミスは絶対侵さないように意思決定をするのかどうか
・目標は自分で決めるのかどうか

などなど。

 

 

風土だけに焦点を当てることで何が問題なのか?

風土と文化が、私たちの仕事のやり方にどう影響を与えているのかを理解しよう。風土だけに焦点を当てれば、短期的な成果は出るかも知れない。管理職が部下を厚遇すれば、かれらのエンゲージメントは高まるかも知れない。しかし、そうした改善は、企業文化のシフトが起こらない限り、短命で終わる。

かつて、私は製造業の会社の社長を拝命したことがある。そこは完全に、”指示・命令”の文化であった。当時のリーダーが私に、”あなたは「ハグしあう文化」から来たかも知れないが、私は成果主義で、必要であれば社員のケツを引っぱたく人間なのだ”と言ったのを覚えている。

このリーダーの態度によって、その組織がどんな文化が想像できるだろう。現場の社員は極度に受動的で保守的であり、言われたことしかやらなかった。

私たちは、すぐに組織変革の旅に乗り出した。向こう2年にわたって、改善のための計画を設定した。

2年にわたってビジネスの業績は劇的に改善した。私を雇った取締役は、”こんな変化が起こるとは信じられない”と言っていた。

私たちはこのプロジェクトの最初に”企業文化調査”を行った。(いま考えれば、それは文化ではなく、風土に焦点を当てたものだったのだが)12のカテゴリーのうち、8つのカテゴリーで最低点だったものが、最終的にはほぼすべてのカテゴリーで80点以上を獲得した。

私は結果に満足した。しかし、調査が示したように、文化も2年間で変革できたのだろうか?答えはノーだった。たしかに風土は変わったが、企業文化の変革はまだ道半ばだったのだ。

その後、私は家族と暮らすのに適した役割に付くため、その組織を離れることになった。そして、私の後釜は、まったく異なるリーダーシップスタイルを持つ人物が担うことになった。

私たちが築いた運営モデルは間もなく崩壊した。取締役会は競合他社に資産を売却することを決定し、話はそこで終わったのだ。風土改革は短命で終わった。

 
結論
風土と文化の両方を理解することが必要である。何を測ろうとしているのかを理解すること。風土を測るだけでは不十分である。風土も大事だが、文化を見過ごしてはならない。風土は、リーダーや労働条件、ルールの変更で変化してしまうものだから。

 

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この記事は、企業文化に関する情報をあつめたサイト、Culture University(http://www.cultureuniversity.comの許可を得て翻訳、掲載しています。
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