異国情緒あふれる職場の企業文化

企業文化の根幹となっているのは、リーダーや社員の持つ個人的な価値観です。これはこのブログでもお伝えしているとおりです。

そして、個人的な価値観というのは、その人の生まれ育った環境(場所や世代など)に大きく左右されます。

いまの社会で特に重要なのが、異国間の価値観の相違です。特に大企業では人材のグローバル化が進み、上司や部下、さらには社長が外国人というケースも多々あります。また、IT関連企業では、日本以外からの技術者がプロジェクトに参加することも増えてきました。

こういったケースでは、価値観の違いが、そのまま仕事のスタイルの違いや、意見の違いに現れ、それが上手く機能することもあれば、問題を引き起こすこともあります。

そこで他の国で育った人がどのような価値観を持っているのかを理解することが大切です。この課題に取り組んだのが、ギアート・ホフステッド(ホフステード)です。

彼は1970年代後半に、当時約40か国に展開していたIBMの社員、11万6000人を対象に、仕事に関する価値観について調査しました。

その結果、以下の5つの要素によって、異国間の価値観の違いが整理できることを発見したのです。

 

(1)権力格差

「それぞれの国の制度や組織において、権力の弱い成員が、権力が不平等に分布している状態を予期し、受け入れている程度」

たとえば、昔の日本みたいに、士農工商という権力格差が生まれたときから存在している国に生まれ育った人は、権力格差が存在するのが当然だと思っていますが、そうでなければ、権力が一極集中しているのは受け入れがたいということでしょうか。

 

(2)個人主義 vs 集団主義

「個人が集団に統合されている程度」個人主義社会では、 個人と個人の結びつきはゆるやかで、個人の利害が集団の利害よりも優先される。一方、集団主義社会では、個人は結びつきの強い内集団に統合され、集団の利害が個 人の利害よりも優先される。

 

(3)男性らしさ(達成志向型) vs 女性らしさ(育成志向型)

「男性らしさを特徴とする社会では、社会生活のうえで男女の性別役割がはっきりと分かれている。女性らしさを特徴とする社会では、社会生活のうえで男女の性別役割が重なり合っている」

男性らしい社会では、労働にも区別があり、自分の意見を積極的に主張するような仕事は男性に与えられている。学校で良い成績を取ることや、競争に勝つこと、出世することが重要視される。女性らしい国においては、良好な人間関係や妥協、日常生活の知恵、社会的功績が重視される。

ちなみに、IBMの調査では日本は最も男らしい価値観を持つ国、という結果が出たそうです。当時は高度経済成長期だったことも影響しているのでしょうか。

 

(4)不確実性の回避

「ある文化の成員が不確実な状況や未知の状況に対して脅威を感じる程度」不確実性の回避が高い国では、法や規則が重んじられ、安全欲求が強い傾向にある。一方不確実性の回避が低い国では、法や規則は少なく、達成欲求が強い。

 

(5)長期志向 vs 短期志向

長期志向の文化では、未来に目を向け、倹約や忍耐を重要視する。一方、短期志向は、過去や現在に目を向け、伝統や現在の義務の遂行を重視する

以上みてきたように、どの国で育ったかによって、これら5つの軸で価値観の違いが出るというわけです。

これからの職場では、こういった異国間の価値観を理解し、それに対応していくことがますます求められていくと思います。

ちなみにその後、Global Leadership and Organizational Behavior Effectiveness(GLOBE)という調査によってさらに異国間文化の研究がなされたそうですが、結果は、ここに紹介したホステードの結果とほぼ似通ったものだったそうです。

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Naoki Shimizu

Naoki Shimizu

一般財団日本アントレプレナー学会代表理事
大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、モバイルコマースの創業メンバーとして参加し、上場を目指すが頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。
Naoki Shimizu

Naoki Shimizu

一般財団日本アントレプレナー学会代表理事 大学卒業後、マイクロソフト日本法人に入社。その後独立し、海外不動産の紹介会社を起業した後、モバイルコマースの創業メンバーとして参加し、上場を目指すが頓挫。その後、海外の経営ノウハウをリサーチし続け、2011年に世界No.1のスモールビジネスの権威、マイケルE.ガーバーと出会う。同氏の日本におけるマスター・ライセンシーとなり、2013年には日本初のE-Myth社認定コーチ(E-Myth社はマイケルE.ガーバーが創った世界初の中小企業向けビジネスコーチング会社)になる。現在は、日本の中小企業がワールドクラスカンパニーになるための支援活動に力を注いでいる。